様々な要因で生活に追われている現代人、季節の催し物をたしなむことが難しいですよね。
私も過去に、吉祥寺から茅場町まで満員電車で通う毎日がありました。
通勤経路には桜の名所も結構あったりしてですね。
桜の季節なんかは途中下車したいと思っていても、また今度また今度と疲れを理由に伸ばし伸ばしで
あっというまに桜は散っていたという事が何年もありました。
フルタイムでサラリーマンをしていると、ふと時間がとれるのは朝か夜しかないですよね。
そんな忙しない生活で、お雛様を飾り忘れてもう雛祭りだったなんてことはありますよね。
でも、今年こそは余裕をもって飾り付けができるよう、スケジュールを案内したいと思います。
次の雛祭りは令和4年3月3日(木)です。
この記事をよんだ今、余裕をもって飾る日を決めてしまいましょう!
令和4年の雛人形を飾る日
よく、「雛人形を飾る時期に関して、明確な決まりはない」という情報を見かけますが、その書き方は良くないと思っています。
「明確な決まり」という言葉の意味は何でしょうか。法律で決まっているという意味でしょうか?
昔から言われている、しきたりとして一般化しているという意味は「明確な決まり」ではないでしょうか。
私としては、飾り付けする日付は雛人形の文化として一般化しており明確に決まっていると認識しています。
「飾り付けに適した明確にきまっている日付」は以下です。
もっとも適した日付は「立春」です。
これはもう絶対的に飾る日のベストです。
よほど予定が決まっていない限りは、今すぐ手帳に予定を書き込みましょう。
次の立春は令和4年2月4日金曜日です。
また、二十四節気でみた立春は、さらに細かく七十二侯で3つの期間に分けられます。
そうした場合は2月4日~2月18日までが立春という一つの節になります。
ですので、その期間に飾り付けするという解釈で良いです。
「立春」がいい理由
旧暦では、一年の始まりと考えられていました。季節の節目はこの立春を起点として設定されています。
春を兆しが見え始めるこの日は、様々な縁起の良い日であると考えられてきました。
私が業界に入ったころには上司・先輩に教わった文句があります。
「節分に鬼を払い、福を招き入れる。そうして良い状態にしてから次の日にお雛様をかざりますよ。」
という事なのですが、
この立春に向けて、暦は準備をしてきているわけですね。
また、この日に雛人形を飾ることで、3月3日まで丸一ヶ月お雛様と共に暮らす生活になるという事で、時節を感じながら時間を過ごす体験をします。
雛人形が飾ってある空間で心に平静を取り戻しましょう。
次の立春は週末の金曜日です。
次の日は休日の家庭も多いでしょうから、夜、じっくりと時間を空けておいて、のんびりお雛様とお話しながら飾るのが良いです。
「雨水の日」に飾るというしきたりもある
雨水の日というのがあります。二十四節気でいうと「立春」の次の節が「雨水(うすい)」といい、令和4年は2月19日土曜日になります。
この日は昔から、農作業を開始する目安とされてきました。
寒い冬には雪が降ります。そして暖かくなって立春がきて春の兆しが見え始めると、雨水の名のとおり、雪が雨に変わって降る日がやってきます。
これが雨水です。
また、二十四節気でみた雨水は、さらに細かく七十二侯で3つの期間に分けられます。
そうした場合は2月19日~3月4日までが雨水という一つの節になります。
ですが、その期間いつでもいいわけではありません。
なぜなら、後半はすでに雛祭りです。
今回は、あくまで雨水の日である2月19日を予定としてください。
※次の日の20日は日曜日なのでそこでもいいです。
「雨水」がいい理由
この時期にお雛様を飾ると、娘さんが良縁に恵まれるといわれています。
良縁とは将来のお婿さんということだけではなく、友人や恩師など知り合い助け助けられる良い人間関係という広い意味を持っています。
もともと、「流し雛」という紙にかいた雛を川に流して厄を払う行事が雛祭りの始まりと言われています。
このことから水の行事であり、雨水の時期に降る暖かくて柔らかな栄養が満ちた雨にあたることで、子供の健康や厄を清めるという意味もありました。
立春とともに雨水も、ながい冬が終わり春が来ることを祝福しその恩恵を授かる季節だということ、
その季節の恩恵を、その時期に雛人形を飾ることで持ち主であるお子様に注ぐことを意味しています。
次の雨水は土曜日ですね。休日の方も多いですから、外出したりする予定は午後に回して、今から午前中の予定に雛人形飾り付けと書いておきましょう。
「一夜飾り(いちやかざり)」のタブーについて
「一夜飾り」とは、行事の前日に準備をすることです。
雛祭りでいうと、前日の3月2日に飾り付けをすることを指します。
理由は諸説ありますが、以下の内容が一般的です。
前日は、雛祭りがすでに始まっている
日本の行事やお祭りにおいて、前日というのはすでに行事が始まっていると考える文化があります。
・3月2日 宵節句
・3月3日 本節句
・3月4日 送り節句
といいます。前日はすでに祭りが始まっているので、家族親族で御祝いをしたり、みんなで食卓を囲んだりします。
祭り当日の前の日に「宵」というのは例えば「祇園祭」では、「宵山」という日があります。
「宵山」とは本来は山鉾巡行の前日のことですが、前祭の宵山は14~16日の間、後祭の宵山は21日~23日の期間が宵山とされています。
宵山とは
京都観光、案内のポータルサイトより
古い人形屋さんなんかは知っているしそのように案内もしていると思います。
(個人的には現在ではあまり一般的な考えではないと思っています。)
そして、その考え方から言うと、祭りの最中に飾り付けするものではない。雛人形に対し失礼にあたること。という解釈なのだと思います。
正月飾りなども、12月31日にするのでは遅い、大晦日から神様はすでにいらっしゃっている。という考えもあります。
お葬式と同様の作法である
人が亡くなる時というのは、前もって予定されたものではなく、多少の兆しはあれど、いつだって突然やってくるものです。
そして、そんな中突然行うのがお葬式(通夜)です。ですから、葬儀屋というのは、そういった儀式の準備を前日にして当日の式が終わったらすぐに片付けに入るのです。
一夜飾りとは、このお葬式の進行と同様になってしまうことから忌み嫌われているという事があります。
その他の理由について
前日の限られた時間で忙しなく準備をすると、心のゆとりがなく無作法になりがちであり、そうやって飾ることがお雛様を痛めてしまったり思わぬアクシデントを招く原因になります。
このような理由からも、適切な予定・時間をもって丁寧なコミュニケーションをしながら親子で飾りつけをする事こそが子供の心身への良い影響になるという考えもあります。
その他、地域によっては他の理由もありますがおおむね「一夜飾り」は否定的な考えが一般的です。
「忙しくて気が付いたら3月2日になってしまった!」という方はどうすれば
この場合は、「旧暦で飾る」という嗜みをします。
令和4年の旧暦の3月3日は、令和4年の4月3日(日)になります。
3月2日やそれ以降に飾り付けをしても4月3日までゆっくり飾って「旧暦でかざっているのよ」という意識でいると良いです。
そもそも、「旧暦」で飾っている地域はあります。
ですから、桜が咲く中でお雛様を楽しめばよいのです。
ただし、
「忙しくて気が付いたら4月2日になってしまった!」
という方は、もう、なにも気にせず好きな日に飾って好きな日にしまいましょう(笑)
まとめ 令和4年の雛祭りの準備の日は?
色々と述べさせてもらいましたが、まとめとしては
1)令和4年2月4日金曜日 「立春」の日に飾り付けする
→次の日令和4年2月5日(土)もしくは6日(日)でも立春の節なので良い.
休みでゆっくりできるならその方が良いです。
2)令和4年2月19日土曜日 「雨水」の日に飾り付けする
→次の日、令和4年2月20日(日)でも良い。
休みでゆっくりできるならその方が良いです。
3)令和4年3月2日 水曜日 は「一夜飾り」になるので避ける
という事になります。
一年に一度の雛祭りですので、準備から楽しんで迎えられると良いですね。