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雛人形 選び方(9) 工房系・問屋系・専門店系・百貨店系などの販売店の種類について

雛人形は様々なお店で販売されていますが、その販売チャンネルによって、
取り扱いの種類や相場も変わるということをご存知でしょうか。

今回は、
雛人形を探すにあたって様々な店による違いを見ていきたいと思います。

以下に案内するサイトはちゃんとしたお店だと思って良いです。
※詐欺サイト等の心配が無いように安全だという確証があるお店だけを案内しています。
R7,1月現在の情報ですが、この記事すべてが最新問ことではありません。
しっかりとご自身で確認することが大事です。

※本来は実店舗の運営のほうがはるかに良いお店が多いのですが、
今回は、どこに住んでいる方でも見ることができるように、
オンラインショップを運営している店舗をメインに紹介します。

↓コチラもあわせてご覧ください。

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販売する店の種類について

色々とありますが、代表的で大きな分類をご紹介します。

  • ショッピングモール系
  • 工房系
  • 問屋系
  • 専門店系
  • 百貨店系
  • 量販店系

ショッピングモール系

ショッピングモール系は、もちろんYahooや楽天、Amazonになります。
主だった傾向は、一つのお店が各モールに出店しているところです

モール内にはさまざまな人形店が出店しています。
営業力や広告費用が潤沢な業界大手も出店しています。

久宝堂

公式ページはこちら
ここから楽天市場ヤフー店に移動できます。
お店は大阪松屋町にあり、人形専門街のなかでも老舗で大型店舗となります。
品ぞろえのみならず価格もお求めやすくネット販売にも力をいれています。
オンラインショップの運営においても、業界の中では老舗と言えます。

Prefer(ぷりふあ)

岡山県の株式会社こまりが運営する御節句品のオンラインショップです。
自社サイト
楽天市場
ヤフーショッピング
Amazon店

すごいのは、楽天とヤフー、Amazonだけでなく自社オンラインショップも運営している所です。
自社ショップサイトの構築はコストがかかるため、モールでのショップ運営を検討するのが通常ですが、
自社サイトのコストに加えてモールでのサイト構築とそれらすべての運営をするというのは、
デザインの統一や在庫の共有・管理等を考えると思っているより負荷が高く思います。

人形屋ホンポ

自社サイト
楽天市場店
ヤフーショッピング
Amazon店

さきほどの「ぷりふあ」と同じく多店舗展開しています。
人形屋ホンポのオンラインショップは節句人形の業界でもかなりの老舗です。
久宝堂もそうですが、ネットショップの老舗はまず楽天から始めます。

その他

たくさんあるので書ききれませんが上記3社がほぼモール系の三強と言えます。
通常、モールで販売されている商品は、そのモールの運営元がしっかり出店企業を審査していると思われがちです。
もちろん審査はしっかりしていると思いますが、それと接客対応・商道徳のある企業かどうかはまた別です。

何が言いたいかというと、
大手ショッピングモールに出店しているからといって安心して購入できる店では無いということです。
今の時代、口コミは色々な方法で購入できるので、口コミや評価が高いから安心とも言えません。
※特にAmazonのレビューはビジネス化しています。

工房系

その文字通り、雛人形本体を実際に製造しているところが、販売も手掛けている所です。
ただ、雛人形本体の製造と、お顔や、屏風や雪洞などの御道具は別です。
つまり、雛人形本体を製造し、他の部分は他社から仕入れているということになります。
そのような情報もわかる範囲でご案内したいと思います。

ふらここ


工房系としては初期から運営しています。また、実店舗をもたず、オンラインショップのみで販売するという、当時ではかなり先を行く判断をしている企業です。
企業体制も健全で、世に言うホワイト企業の代表のような体制であり、節句業界以外の様々な業界から注目されています。
 人形業界では見たことが無いほどしっかりとした会社です。従業員さんは安心して働いていける会社だと思います。

・雛人形の特徴は自社企画の「お顔」です。
  (製造は人形頭メーカーが請け負っています。)
・主力の雛人形は「木目込」タイプです。
・「可愛い」雛人形です。
・コンパクト、小さく飾りやすく、片付けやすくなっています。

これらのコンセプトのための商品企画もしっかりとした市場調査や様々な計画の上でのものだろうと感じられる商品構成です。完全に「ふらここ」でしか手に入らない人形です。
そして、木目込が好みではない方のためにも「衣装着」のラインナップも始めています。

好きな方はもう他の雛人形を見る必要はありません。なぜなら、同じものは他のお店には絶対に存在しないからです。
反対に、好きでない方はここを見る必要はありません。ここの全ての製品のコンセプトが同じだからです。

工房ひな雛

「ふらここ」ににた雰囲気のWEBショップです。
というのも、人形業界の流れとして「ふらここ」が開業し売上を伸ばしたことがきっかけで、

「木目込」「可愛い顔」「コンパクト」「シンプル」「モダン」

というコンセプトの店舗が次々に生まれました。
もとから木目込人形の製造や販売をしていた店が「ふらここ」風になっていった風潮もありますし、
そうでなくても、上記のようなコンセプトは現代人に非常に受けが良かったため、
これらの品ぞろえを増やしていったところもも多いです。

「工房ひな雛」に関しては、もともとから木目込人形関係の製造や販売をしていたことから、
自然な流れでの商品企画となったと思われます。

人形工房 左京(にんぎょうこうぼう さきょう)



「大人の雛人形」というコンセプトの意味
左京人形は長らく製造メインの営業でしたが、数年前に新社長が後をついでから小売りへ大きく力を入れ、
今や卸販売より小売販売、それもネット販売の規模が大きくなった企業です。

デザインにも特徴があり、シンプルで色の数を抑え、メインの柄や文様をしっかりと引き立てる衣装づくり。
人形の形や着物の着せ付けも、「清水久遊」のスタイルに沿ったしなやかでボリュームを抑えたシルエット。
お顔も現在主流の「MS101」を標準とし、大人びた印象に仕上げます。

そして、屏風やお道具などはコチラもなるべくシンプルで簡素、数を抑えごちゃごちゃさせません。
また、製造であるからの強みで価格も抑えられており、消費者にとっては魅力的な要素が多いお雛様です。

「工房系」に言える事。世間の勘違いや、誤解をまねく表記・広告

どの業界でも、工房系で一般的な
「中間マージンが発生しないため安価」という認識は誤りです。

実のところ、
「自社製造製品を販売したほうが中間マージンが発生しないため利益が大きい」
という仕組みになっています。

問屋系

こちらもその名のとおりですね。問屋です。
そもそも問屋とは、製造と小売の間にある業種です。
中間コストが発生するということでデメリットに捉えることがありますが、
全くそんなことはなく大きなメリットがあり、それゆえに業界を活性化する力も持っています。

基本的に問屋は製造と小売の間で大変な仕事をしているのですが、
それらはあまり知られることが無く悪者扱いされることもあります。
問屋についてはまた別の記事を書きたいと思っています。

さて、この問屋系ですが、
製造もしながら販売もし問屋もするというスタイルもあります。
この場合、問屋業には自社製品の卸業も含まれます。

専門店系

雛人形にかかわらず、小売販売の花形です。
小売業、つまり一般消費者・最終消費者へ商品を届ける仕事です。

専門店系はその店を預かる人間の個性が色濃く表れます。
それこそが雛人形専門店の最大の魅力です。

店によって品ぞろえやデザインの仕方が変わることによって消費者が違う店を回る原動力になります。

安定して売れる商品ばかりを並べるような、データ・統計などによって品ぞろえをする店には何の魅力もないです。
人の心を動かしてこその業界であり、それが無くなったらすたれる一方と思います。

百貨店系

もうそのとおり、全国有名百貨店の各御節句売り場です。
しかし、もうここ数年、売り場規模をどんどん縮小し場所も端っこのほうへ設定されている百貨店が多いです。
それくらい市場規模が小さいということです。

伝統文化のものであり季節の物ですから、百貨店の格式としては取り扱いしたくても、
売上が立たないことには縮小せざるを得ないといったところでしょうか。

それでも、百貨店のみが企画できるものもあります。
そういったものを見てみると良いと思います。

量販店系

量販店というのは、トイザらスや赤ちゃん本舗、イオンなどの事です。
その他、地方のスーパーが食料品だけでなく衣料品や本、文房具、音楽メディアなど様々な売り場を展開しているような場所なども含まれます。

地方に行くと雛人形専門店というものは存在していない事が良くあります。
そういう地域には百貨店も出店していません。また、ただでさえ少ない雛人形工房なんていうのもありませんから、
こういったエリアでは雛人形を購入するルートが無いのです。
このようなときに、量販店がその時期だけ雛人形を取り扱うというのはとても良いことなのです。

もし量販店においても雛人形を販売してくれなければ、
その地域では雛人形の文化そのものが急速に失われてしまうからです。

こういったエリアではその地方・地域に根付いた量販店から情報を取得してください。