前回はコンパクトなタイプの価格の目安をご紹介しました。
<人気タイプ1 コンパクト>
今回は次に人気のタイプでもある「モダン・シンプル・デザインに凝ったタイプ」を見ていきたいと思います。
モダンなスタイル、シンプルなスタイルというのは、近年の流行です。
派手さを抑えて、アイテム数を減らして、全体の色調を統一して、飾る家の雰囲気に寄せて
というのが現代の親御さんの感覚なのでしょう。
かくいう私も、あまり物を置きたくないですし、これ見よがしの金箔、金襴、金細工は見てて疲れます。
人気タイプ2 モダン・シンプル・デザインタイプ
先ほども書きましたが、このタイプには以下のような特徴があります。
- 金箔・金襴などのきらびやかな装飾は使わない。もしくはポイントだけ。
- 雪洞、桜橘、三宝、菱餅などの御道具は全部揃えない。屏風や飾り台も場合によっては省く。
- 人形を引き立てるように、セットの色使いをうるさくしない。全体の色数を抑える。
これに合わせて、凝ったお客様は以下の事も確認してこられます。
- ・飾る予定の部屋や飾り棚などの大きさ、色、設えを調べており、そこへ余裕をもって飾る大きさを把握している。
セット例を見たいと思います。以下のオンラインショップでよく見られます。
※これらは参考です。
サイトを見る時期によっては、五月人形やその他の商品が掲載されているかもしれません。
また、これらのサイト以外でもたくさんのお店が独自のセットを考案し販売しています。
大手ショッピングモールサイトへの出店店舗については、出店によるランニングコストやピンハネ分で原価率が上がってしまい、消費者への販売価格を上げる・もしくは販売店が利益を必要以上に落とす必要があります。
過去にシステム案件として大手モールへの出店と運営を代行しましたが、この季節限定の御節句商売においては、適切な利益と売価が保てない事が多々ありました。
このことから、ここでの紹介では、楽天やAmazon、Yahooへの掲載ショップは省きました。
では、近年の人気の主流とみられるセットを見ていきたいと思います。
代表的なセットの例
いくつかのセット写真を紹介します。
<人形の鯉徳>さんの商品例
<鈴為>さんの商品例
人形の鯉徳さんでは、有名作家の雛人形を独自のモダンなセットに乗せています。
屏風や飾り台、御道具などを独自の仕入れルートで探して雛人形に合わせてセッティングする手法です。
この方法は多くの店がやっていますが、なかなか綺麗に決まらないことが多いです。
屏風やお道具など、数千種類ありますから、組み合わせを考えるだけでも大変なうえ、
例えば、「屏風はいいが御道具がいまいち決まらない」ということなど、なんかちょっと色が微妙に合わないということなど痒い所に手が届かないことが多いです。
ですから、素晴らしく決まったセットというのはなかなか難しいものなのです。
鈴為さんでは、さらにそれを一歩ふみこんだ、それこそプライベートブランドを展開しているというとおり、
自社で制作したお道具や、自社で企画して制作させたお道具などで、色や質感などの統一を図っています。
このことにより他社では絶対に見ることができない商品構成になります。ここまでの企画・開発をしているところはあまり類をみません。
価格の参考例
大体、13~20万円以内、高くても20万円前半に抑えている感じがします。
ネットショップはどこも値付け(値段の設定をすること)を大分考えて行っているなという印象です。
インターネットである以上、他店はもとより全国の消費者が見る可能性があるため、品質と価格のバランスとしてはどうしても品質に比べて割安な設定のような感じもします。(私の個人的な見立てですが)
ネットショップもBASEやSTORESで出店しやすく、イニシャルコストを抑えて運営できるようになっています。
このことにより独自のブランディングで色を出したいお店は、販売価格を抑えても利益を確保しやすいです。
今はとくに、大手のショッピングモールで運営していては出せない価格だなと感じるネットショップも多いです。
また、昨年からのコロナ騒ぎで多くの消費者はオンラインショップでの高価格商品の購入に慣れてきています。
いままではネットでなかなか売れなかった御節句商材も今期は(令和3年4月現在)多くのお店がネットでの売り上げ増と聞きます。
それでも可能であれば実物を見る方がいい
オンライン販売での話にそれてしまったのでついでにお話しすると、
インターネットでの写真やInstagramなどの画像で商品を決めるのも現代風でいいとは思いますが、
実物は違う事もあります。
たとえば、どんなに綺麗に写真を撮っても、画像としては表現するのが難しい色というのはあります。
濃紺や紫系、それに鮮やかな赤・朱など、メインの色として人気の色は難しい色です。
モニタやスマホのメーカーによる違い、画像の加工などもされていることもあります。
そして、品質の高い商品になればなるほど難しい色が使われているものです。
ネットショップ全盛の時代ですが、そこだけはやはり違うのは確かなのです。