京都で作っていることが多いと思われる方も多いかもしれませんが、雛人形は日本中いたるところで作られています。
節句人形・雛人形の生産額1位 埼玉県
特に有名なのが、埼玉県鴻巣市・埼玉県岩槻市あたりと聞きます。
しかし生産額は年々さがっています。
工業統計調査によるとH24年の統計から
H24:54.7億 → H25:58.9億 → H26:54.7億 → H27:52.7億 → H28:47.1億 → H29:39.0億 → H30:43.2億
と減少傾向にあります。それでも全国1位をキープしています。
事業所数は現在33社あり、企画から製造まで様々な会社があります。ありすぎるため、1社が複数の下請けをしていたりすることもよく見受けられます。
たとえば有名なA社は、胴体を作っているB社とお顔をつくっているC社に依頼し、別々に納品を受けたのちに自社で接合して販売します。しかし、B社はB社で全く違うD社からお顔を仕入れて自社製品として販売します。お顔をつくっているC社もまた違うE社から胴体を仕入れて自社製品として販売します。
このように複数の事業所が入り乱れて、どこかでみたことある商品がさまざまなブランドで展開されるという熾烈な競争がおきています。もともと、埼玉では事業所がおおかったため競争も激しかったと聞きますので、良い製品が残っていくという見方もあるので、よいことではあるかもしれません。
節句人形・雛人形の生産額2位 福岡県
事業所は4社しかありませんが、ここ数年大体2位をキープしています。
それでも右肩下がりなのは埼玉とおなじです。
工業統計調査によるとH24年の統計から
H24:17.5億 → H25:16.5億 → H26:15.9億 → H27:4.6億 → H28:12.4億 → H29:12.2億 → H30:10.7億
※H27は情報センサスからの結果となるため集計作業が変わっているかもしれません。
福岡といえばフジキ工芸産業とそのグループ企業である千匠人形工房です。
全国有名百貨店や大手量販店、そして全国人形専門店と人形業界の隅々まで節句品を届けています。
人形業界では久月・吉徳に次ぐ大手企業と位置づけされています。
節句人形・雛人形の生産額3位 岡山県
以外かもしれませんが、岡山県が業界3位生産量を誇ります。
H24:13.7億 → H25:13.5億 → H26:12.9億 → H27:データ無し → H28:10.0億 → H29:9.6億 → H30:8.8億
統計事業所数は3社。こちらもやはり右肩下がりとなります。
岡山県は雛人形の製造をしている日本貿易産業が有名です。「人形の喜峰」という作家名・号で自社販売するほか、全国各地の問屋さんやメーカーへ人形を製造し納品しています。つまり、下請けが多いという事になります。
県としての生産額から見ると非常に多くの雛人形を生産していることがわかりますし、それだけ信頼があるという意味でもあります。
節句人形・雛人形の生産額4位以下
次に有名なのは、京都や東海(愛知や静岡)、大阪等となります。
京都は大体年間生産額が5億円前後で推移しています。
また、愛知や静岡も同様に5億~7億あたりとなっております。
大阪は少し下がり気味で2億~4億というところでしょうか。
それぞれ、有名作家がいる地域となります。
京都にはそれこそ名だたる京人形師たちがおりますし、愛知には清水久遊の工房ひいながあります。
静岡は昔から雛具処としても有名であり多くの工房が自身の作家名で制作をしておりますし、大阪には小出松寿の工房「松寿(しょうじゅ)」があります。
雛人形を選ぶとき、どこで作られているかを知るのも楽しいものです。