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節句人形販売員が知っておくと便利な知識 [ 唐草文様 ]

御節句に限らず、日本の伝統工芸品によく使われる図案として「唐草文様(からくさもんよう)」「 唐草文(からくさもん)」というものがあります。
この図案は、すべての御節句に使われる縁起の良い柄ですので、覚えておくと良いです。

唐草文様(からくさもんよう) 唐草文(からくさもん)とは

泥棒の風呂敷なんかがその一つの例です。

唐草とは、渦巻きのような曲線を組み合わせて植物の蔓(つる)が絡み合って伸びている様子、そのデザインです。
すごく昔、エジプトのほうから伝わってきた美術的な文化ということで、
唐草っぽい模様やデザインはヨーロッパからアジアに至るまでさまざまな過去の建築物・工芸品にきざまれています。
そして、シルクロードを渡って奈良時代に日本にやってきた文化の一つということです。

ただし、そういった文化的な背景の説明をする必要はありません。
この説明をしたい人は、お客様ではなく友人にしてください。
お客様はこの説明を知りたいのではないのです。

販売・接客として大切な知識は次です。

唐草の意味を知り伝えるということ

唐草がなぜお節句の品に使われる文様なのか。
そこにある意味を知り、それを伝えることが重要です。

唐草のモチーフになっている「蔓(つる)、蔦(つた)」などの植物は、
生命力が強いため、どんどん伸びて、ちぎってもちぎってもまた伸びてきます。
これが、御節句という文化にはとても合います。

・生命力がつよい。
・長寿である。
・いわゆる子孫繁栄である。

このように「唐草」には、文化的に「命」に対するポジティブなイメージが刷り込まれています。

「唐草」のデザイン・図案の種類

・牡丹唐草(ぼたんからくさ)

・花唐草(はなからくさ)

・葡萄唐草(ぶどうからくさ)

・桐唐草(きりからくさ)

以下は、雛人形の前飾り(お道具)に使われる柄でよく見ます。

・爪唐草(つめからくさ)

・蛸唐草(たこからくさ)

とさまざまあります。
画像を添付したいのですが、著作権の関係で画像をすぐに用意できていません。
今後撮影次第公開したいと思います。

ただ、デザインはひとつではありません。
「牡丹唐草」とっても、図案を作る人によってたくさんの種類の牡丹唐草があります。
ですから、色々な牡丹唐草をみて学ぶ必要があります。
それはほかのデザインについてもそうです。

「唐草」からつながる植物由来のデザイン・図案

唐草文様にくっついて「牡丹」や「葡萄」などがでてきましたね。
これにも様々な意味があります。
そういった植物由来の図案は、御節句の世界に浸透していますので、次回それらの意味や使われ方を紹介していきたいと思っています。