どこで買うのかという話ですが、ほぼほぼ以下4つのどれかになります。
1)インターネット
2)百貨店
3)ベビー用品店
4)人形専門店
それぞれメリットとデメリットがあります。
ひとつづつ説明しいていきます。
1)インターネットでの購入のメリットとデメリット
いまはすべての商品がインターネットで手に入ると思われていますね。
しかし、雛人形のような商材というのはそうも言えないのです。
メリット
豊富な種類から予算・大きさ・デザインを選ぶことができる。
インターネットでお雛様を探すメリットはこれにつきます。
今は、インスタグラムやピンタレストで素敵な例がいくらでも探せますね。
デメリット
品質がわからないということです。
しかしこれは多くの場合、問題ないかもしれません。
ほとんどの人は雛人形の品質というものを知る事なく雛人形を購入しそれを一生ものとして持ち続けるのです。
ただし、幼いころから本物に触れてきた感性の高い人は、商品が届いたあと悲しむ可能性もあります。
※雛人形の品質についての考察は別の記事で今後紹介していきます。
2)百貨店での購入のメリットとデメリット
百貨店は高いという印象を持っている方がほとんどでしょうか。
業界を長く見てきた私としては、昔はそうであったかもしれませんが、ここ数年、とくにインターネットが普及し始めてからは
市場価格にそった価格に落ち着いています。
メリット
百貨店というブランドを着ることができ、商品に対して無知であっても品質が高いという安心感を得ることができます。
良いものがほしいけど時間がなくて忙しい方が選択肢として最適なルートです。
ただし、注意点があります。
どんな百貨店でも必ず5万~15万円くらいの価格を抑えたセットを用意します。
これは、割高商品であるため検討材料から外す必要があります。
百貨店で選択すべき商品は、
目安として25万円以上の価格帯から選択することで、高い品質の商品を適正な価格で購入できます。
つまり、百貨店で購入する場合は25万円を予算目安にすることが重要です。
ここらへんの仕組みはまた別の記事で紹介したいと思います。
3)ベビー用品店での購入のメリットとデメリット
ベビー用品店とは、アカチャンホンポやベビザラス、イオンなどを言います。
数年前から、デザインや品質を上げた商品が並んでいます。
ケース入りや収納セットが多いです。納入業者の方に話を聞いたことがありますが、百貨店や専門店と差別化しているということです。
メリット
赤ちゃん本舗やイオンなど、各お店のポイントやサービスを受ける・使えることができるでしょう。
また、セットも上手にしているものが多く、まだ、古臭いセットは少ないかもしれません。
デメリット
それほどデメリットはありませんが、長年たくさんの品質の商品を見てきた経験から言うと、素材の選定でコストを落としていると見えます。お人形さんもそうですが、一番のコストダウンはお道具などです。細かいところにプラスチックを使ったり、塗装をしたり、塗料まで落としているとおもわれ、触った感触による質感も違っています。
しかし、異業種では一般的な素材や原料を使うことでコストを抑えて、見た目を重視した商品が作れるため、インスタ映えやSNSでの見栄えを意識する現代の需要にマッチしているかもしれません。
もう一つ、デメリットになりうることですが、ケース入りや収納箱セットの商品が多く展示されます。
お片付けが楽だとか、軽くて便利だとかが売り文句となります。
しかし、ガラスでもアクリルでもケースである以上保管は気を使う必要があります。
収納箱セットは、きれいにしまうにはコツがいりますし、そもそも重くなります。収納箱が幅70センチくらいになると女性一人では嫌になりますし、収納箱を入れる段ボールだって大きくて大変です。そういうのは店頭ではお話されませんのできおつけてください。
4)人形専門店での購入のメリットとデメリット
選択肢にはあるけど、ちょっと抵抗があって敷居が高いと感じてしまう場所。
呉服屋と同様、精神的な敷居が高く、購入「させられる」という印象を持ってしまう方が多いのではないでしょうか。
そのためメリット・デメリットの両方がたくさんありますが、
理解するとお店に行きやすいのではないのでしょうか。
メリット
なんといっても品ぞろえです。
百貨店でも有名な作家の限定衣装もある店にはあります(ない店にはない)。
また、複数の専門店を回ることができれば、有名作家のレアな作品に出合うこともできるでしょう。
有名ではないけど高いレベルの技術をもった作家の雛人形もあれば、
実在しない作家の木札がついている商品もあります。
限定作品の多くはインターネットには出回りません。なぜなら限定1~2セットの商品の商品ページを作るコストを考えると割に合わないからですね。
また、お道具の変更が可能なお店もあります。屏風や花や雪洞(ぼんぼり)などのデザインを変更したり、場合によってはお道具を減らすこともできます。例えば、シンプルに人形と屏風だけにしたい人もいます。
こういった組み合わせは、実物を見ながら確認しないといけないので、インターネットではやりづらい部分です。
デメリット
大きく2つあります。
一つには価格ということですね。
値段には理由がありますので、なぜ高いか。なぜ安いかを質問することができるのですが、高価なものはやはり良いものなので、どうしても目が行ってしまいます。そこで「お目が高いですね」と接客されると安い商品には戻りづらくなります。
販売員は、商品説明をするためにいるのではありません。商品説明をして予算を上げるためにいます。
商品説明をうけた人は良いものがほしくなるので、買わされるのではなく自ら予算を上げるのです。
デメリットの2つめは、長い時間を失うということです。
商品説明をうけ、品質の良しあしを覚え、審美眼が育つと、予算と現実の乖離が進み、商品決定ができなくなる人が増えます。
結果として決めれなくなり、たくさんの店をまわりまわって、購入時期が遅れ、市場には売れ残りだけとなり、心が病んでしまう人は来年に持ち越してしまいます。そうすると初節句にお雛様が無く、家族みんなで「なにやってんだろう…」という切ないきもちになります。
そもそも、予算があっていいものをすぐに購入できる多くの方は、百貨店にいきあまり時間をかけずに品質の良いものを購入します。
色気が無い言い方をすると、商品の品質や検討時間などをトータルでお金で解決するわけです。
しかし予算に限りがある人が、専門店を回りだすと大変なことになります。
予算がないのにいいものが欲しくなり、そこそこの値段のものには戻れなくなるのです。
専門店では高いものを買わされるのではなく、顧客自らが高いものしか見えなくなっていくのです。
これが一番のデメリットです。
では、どうやって商品を見ていくのが良いか。
それはまた後日お話したいと思います。