上巳の節句 桃の節句

雛人形の人数について

雛人形の最小構成は「親王」のみです。
「親王」は殿と姫の一対を指す言葉です。

  ※御内裏様(おだいりさま)という言葉も同様に殿姫一対を指す言葉であり、殿のみを指す言葉ではありません。

この親王のみで雛人形の意味は完成しています。
ですが、そのほか「豪華にするお道具」の一部として人形が足されます。

雛人形の人形構成は

・親王(2人)
・三人官女(3人)
・五人囃子(5人)
・随身もしくは左大臣・右大臣(2人)
・仕丁もしくは衛士(3人)

となり、最大で15人まで増やすことができます。

 ただ、消費者が自由に足したり増やしたりできるようにするには、販売店としては大変なコストとなってしまうことから、多くのお店では一般的な組み合わせとしてすでにセット化されたものを選ぶこととなります。
※五人囃子だけ増やす等の自由なセットに出来るお店もいくつかあります。興味のある方は私までご相談ください。

<親王飾り(二人)>

雛人形の最小構成であり、現代での買い方では最も一般的なセットになります。
基本的には以下の組み合わせでセットされます。

1,親王
2,屏風
3,飾り台
4,雪洞
5,花
6,前飾り

基本的には6つの別々商品を使って1セットとします。
ただ、もっと細かく分けると、親王が座る「親王台」という部品と、親王のお顔である「頭(かしら)」という部品も別々の商品となりますが、今回はわかりやすく親王に含めたいと思います。

今、「別々の商品」と表現しましたが、この「別々の商品」とは生産者が違うという意味です。屏風や雪洞などのお道具を「装具(そうぐ)」といいますが、これらは人形(親王)の製作者とは違います。また、その人形であっても人形が座る「親王台」と「頭」はまた違う生産者が存在します。詳しくは別の記事でご案内いたします。

 一般的にはこのように、一対の人形に対し、5種類くらいの道具(装具)が付属しますが、本当の最小構成は「親王」のみです。
屏風も雪洞も必須ではありません。本当に必須なのは「親王」のみなのです。そのほかのお道具はすべてなくてもよいのです。
親王が御守りとなるのであって、屏風が御守りになるのではありません。
しかしながら、屏風の絵やお道具、そういったものすべてに縁起や意味を持たせて飾りつけすることで吉祥の催しとした雛祭りであることから、豪華に華やかに祭りを楽しむという考えも良い文化です。
装具を足すか引くかというのは、人それぞれでよいと思います。
※ただし、装具を自由に変更、増減が可能なお店は限られます。

これが、雛人形の最小構成である「親王飾り」となります。

<五人飾り(親王・官女)>

親王のお世話係である三人官女を付加し総勢五人とするのが、「五人飾り」です。
以前は五人飾りには3段の台を用意するのが一般的でした。

五人飾りとは基本的には以下の組み合わせでセットされます。

1,親王
2,屏風
3,飾り台
4,雪洞
5,花
6,前飾り
7,三人官女

[7,三人官女]が増えました。これに加えて、段の仕様によって[6,前飾り]の内容が変わります。

五人飾りの例1 <一般的な五人飾りにつかう三段台>

[6,前飾り]の内容が、6点セットになります。具体的には
三宝、菱餅(一対)、丸餅(一対)、重箱、御所車、御駕籠
の組み合わせが基本的なデザインです。
最近は、菱餅は菱餅以外の飾り物に代わる場合がよくありますし、それ以外のお道具も、なにか違うお道具に代わっているものもあります。

 この3段の飾り台は、スチールの折り畳みタイプもありますし、この写真のように塗り物の重厚なもの、その他木目を活かしたデザインのもの、タンスのような収納箱のものなどいろいろな種類がありますが最近はその台が邪魔になることから、コンパクトな2段や、平飾りと言われる一枚飾り台に5人乗せる方法でセットすることもあります。

 しかし何といってもこの良さは、豪華さ・華やかさ・賑やかさになります。
あとから道具を少しずつ買い足していって三段飾りにする人もいるくらい、好きな人には憧れの飾り方なのかもしれませんね。

五人飾りの例2 <二段飾りに五人を飾るセット>

二段飾りに五人飾る

大きな段をなるべく抑えた二段飾りです。
二段にすることで、通常の三段の最下段に飾る[重箱][御所車][御駕籠]を省略した前飾りを使います。
この前飾りは、親王飾りに使う商品を使ってセットします。

飾るスペースを抑えたい、でも官女さんを付けたいという方向けですね。

五人飾りの例3 <一段飾りに五人を飾るセット>

一段飾りに五人飾る

最近は、コンパクトな雛人形も増えました。そして、そのコンパクトな雛人形にセットするコンパクトな官女もおります。
市場全体的に五人飾りを選ぶ方は多くないのですが、それでもここまでコンパクトになると、価格差も抑えられて選びやすくなります。
このセットは、木目込みというタイプのお雛様です。コンパクトに作れるので大変人気があり、いろいろなメーカーが製造しています。

<十人飾り(親王・官女・五人囃子)>

以前はあまり見ることがありませんが、最近は人形をコンパクトにすることによって余裕が生まれたことから、逆に人形を足すセットが出てきています。

1,親王
2,屏風
3,飾り台
4,雪洞
5,花
6,前飾り
7,三人官女
8,五人囃子

[8,五人囃子]が増えました。これに加えて、段の仕様によって[6,前飾り]の内容が変わります。

もともとは、三段の飾り台をつかって、お道具を省略することで五人囃子を足して飾ることで十人飾りとしていました。
→参考商品
これは、衣装着タイプのひな人形を三段飾りで飾っています。
[6,前飾り]のお道具を通常の[重箱][御所車][御駕籠]を省略した前飾りを使います。そうです、親王飾りに使う商品を使ってセットします。

最近のコンパクトな木目込タイプを十人で飾る場合は、薄い飾り台にすべてを並べます。親王のみ多少高床として格差をつけます。
→参考商品
お道具は親王飾り用の三点飾り菱高三宝(餅、坏に丸餅、三宝)を使い、お花もオリジナリティのあるものを使っています。

 このような木目込タイプの雛人形は、コンパクトに飾れるので人数が増えても圧迫感がなく、いろいろな面でメリットがあります。
大きい物や豪華な物、迫力がある物などに価値が薄れている昨今、人気が急上昇しています。

以下は特殊な三段の飾り台に、大型の屏風や桜をつかい、前飾りにも珍しい「雅楽」という日本古来の楽器のミニチュアを飾った十人飾りです。

とても凝ってセットされているのがわかりますが、幅・奥行ともに、通常の七段飾り位の大きさとなるかと思います。

<十五人飾り(親王・官女・五人囃子・随身・仕丁)>

雛人形の代表的な飾り方である七段飾りです。
大きな台を抑えるために変則的な台を使う場合もありますが、基本的には7段の台をつかいます。

1,親王
2,屏風
3,飾り台
4,雪洞
5,花
6,前飾り
7,三人官女
8,五人囃子
9,随身
10,仕丁

[9,随身] [10,仕丁] が増えました。これに加えて、[6,前飾り]の内容が変わります。
前飾りには九品道具という七段飾り用のお道具が使われます。

九品道具の内訳は、
三宝、菱餅、高坏(まるもち)、お膳揃(おぜんぞろえ)、箪笥(たんす)、長持(ながもち)、鏡台(きょうだい)、針箱(はりばこ)、火鉢(ひばち)、衣裳袋(いしょうぶくろ)、茶道具(ちゃどうぐ)、御駕篭(おかご)、重箱、牛車(ぎっしゃ)
があります。多少、地域やメーカーにより呼び名が変わる場合もあります。

現在、七段飾りを購入したいという方はほとんどいません。その大きさと、それに付随する保管場所や飾りつけの作業量が苦痛の記憶になっている親御さんもおおいですからね。高度成長期には高くてもどんどん売れていましたが、現代人の価値観にはまったく響かないようです。
今だから話せますが、販売していた私もあまり価値を感じていませんでした。

ただし、本当に欲しい方もいるのは事実です。そのいう方が、本当に欲しい七段飾りが選べるような店もあります。

<その他、変則的な飾り方について>

お客様の希望によっては、三人官女と随身の合計5人を足す人もいれば、五人囃子だけを足す人もいます。
また、作品によっては作家・メーカー独自の世界観をもって、歴史を参考にした脇役をつくっているところもあります。

つまり、「こうでなければ」ということは全くなく、自由に楽しんであなただけのセットを作れば良いのです。
そうやって楽しむことが、雛祭りを楽しむことになるのです。